nksosu’s blog

素人数楽者SAKUの、喜怒哀楽blogです。

素数童話『シニシニシロフロ国物語』(神話時代 前編)

シニシニシロフロ国物語

神話時代(前編)

2と3が、15歳を越えた時、神様は、ふたりの為に卵を与えて下さいました。
シニシニシロフロの呪文で、7、11、13、17、19、23、29、31たちが生まれたのです。卵たちは、+シ+ニ+シ+ニ+シ+ロ+フ+ロと、無限に生まれます。
こうして、平和なシニシニシロフロ国が、誕生しました。

しかし、卵たちを殺す悪魔が現れたのです。最初は、7×7でした。生まれたての49を食べてしまいました。
そこから、悪魔との戦いが、はじまったのです。

王様(2)と王妃様(3)は、子供たち(7、11たち)を集めて、相談しました。しかし、何故、悪魔が生まれたのか、わかりませんでした。
しばらくして、長男の7が、苦しそうになり、やがて、ついに、恐ろしい話を始めたのです。
「王様。あれは、私のせいです。私は、太子としての立場を守りたかったのです。これ以上、王子が、生まれるのが、嫌だったのです。私は悪魔に魂を売ってしまいました」

王妃は、泣き崩れ、王様は、激怒しました。7から、太子の権利を奪いました。

悪魔は、次に、7×しの28を49に足した77を殺します。さらに、シニシニシロフロの順に、7×にの14を足した91、7×しの28を足した119と、殺し続けました。 
そうして、120までに、四つの卵が、死んだのです。
48までは、順調に孵化していたのに、120までに26個卵が、生まれ、4個が死に、22個が、孵化したのです。

5は、+2で生まれました。しかし、体か弱く太子には、なれませんでした。5が元気ならシニシニシロフロにならず、シニシニシニシニシニになっていたはずです。
かわいそうな5は、神管として仕えています。

5が、ある日、王様に、こう言いました。
「王様。11大子に暗雲が立ち込めています」
あらたな悲劇の始まりでした。
5は、「まだ、わかりません。しかし」と、言った。
今までに、分かったことがあります。
実は、子供たちには、男女の違いがありました。

  1. 4で生まれた子供は、女の子。+2で生まれた子供は、男の子でした。+6は、女の子、男の子、女の子を繰り返します。

いいえ、わかっていたと言い換えるべきでしょう。王様には、
内緒にしていました。
それは、王妃様のお心です。子供たちが、男女の違いで差別されるのを、恐れられたのです。
ですから、11は、姫です。
そうです。太子には、なれません。

王様は、言葉を失った

11姫に、私は、聞きました。姫は、いつか正直に、王様に言うつもりです。と答えました。
ですから、王様。11姫が、7王子のように、悪魔に魂を売るわけがないのです。
しかし、おそらく、同じ悲劇が、また始まります。11×11の121卵は死にます。
そして、予言通りに121は、死にました。

また、王様は、5を呼び、また、シニシニシロフロの順に呪いがかけられるのか、と聞かれました。
おそらく、王様。5は、言いました。
今度は、違います。11姫は、+し、で生まれました。シニシニシロフロではなく、ニシニシロフロシの順に、悲劇は、起こるでしょう。

また、予言通りに、11×に、の+22の143で、悲劇が起きました。

どうすれば良いのだ。王様は、頭を抱えました。
また、5が、答えました。
これから、私は、とんでもない推測を申します。おそらく、大王様です。
何、兄上だと。
大王とは、王様の兄の1のことです。1は、長男なのに、王様になれませんでした。今は、ひっそりと暮らす身です。素数族からも除外されました。
大王様が、悪魔に魂を売られたことが、すべての発端だったのではないでしょうか。 王様は、5を連れて大王を訪ねました。
大王は、その話を聞いて、
私は、おまえたちに、そんな風に思われていたのか、と言いました。
怒っているわけではない。むしろ、当然の考えだ。私でも、そう思う。
そうだな。神様にお会いしたことは、あるな。
王様と、5は、はい、と答えました。一度だけですが、あります。
神様のご意志を聞いたか。
いいえ。
そうか。ならば、私が知る範囲で、それを語ろう。覚悟して聞け。
はい。
まず。私が、どうして除外されたのか。それを語ろう。私は、神様に言った、そんなに私がきらいなのですか、と。
神様は、笑顔で答えられた。
我が子が、嫌いなわけがない。ただ、おまえは、まだ、神の力を強く持つ神の子供なのだ。おまえは、素数のすべてを消し去る力を持っている。お前が王になれば、すべての数字は1で割りきれることになり、素数は、存在しない。だから、除外したのだ。
王よ。お前も、奇数のすべてを除外した。王妃も、偶数のすべてを除外した。5も、5の倍数のすべてを除外した。お前たちも、彼らから見れば悪魔だ。しかし、それは、神様の意志だ。おまえたちも神の子供だという証なのだ。
つまり、7×素数の数が、死ぬのも、同じこと。神様の意志だ。悪魔の仕業ではない。
さらに、我々からは見えないが、別の場所で、元気に生きているらしい。安心しなさい。

王よ。5よ。
数字には、それぞれに役割がある。個性がある。
何故、弟が王になり、姉は、女王になれなかったかわかるか?
王妃が、女性だったからですか?
はははっ。違う。2とは、優しさだ。穏やかさだ。束ねる強さはない。しかし、2には、yesか、noしかない。果たして王座の主は、それで、良いか?
王には、強さがある。そして、思慮がある。
5には、頭脳がある。整理する知恵がある。7は、割りきれない混乱を起こす。迷う。しかし、そこから、きっと何かを生み出す。ミステリアスな魅力だ。

後編に、つづく。